関西国際空港が開港から30年、年間1300万人の外国人客が利用

(インバウンド情報、2024年9月4日の日経新聞からの抜粋)

On the 4th, Kansai International Airport celebrated its 30th anniversary since its opening. The opportunity for Kansai Airport to get on the upswing was the active attraction of low-cost carriers (LCCs). With the attractive tourist resources of the Kansai region, such as Kyoto and Osaka, 13 million foreign visitors use the airport every year. It is increasing its presence as a gateway that attracts inbound tourists (foreign visitors to Japan) from Asia and elsewhere…

関西国際空港が4日、開港から30年を迎えた。関空が上昇気流に乗る契機となったのは、格安航空会社(LCC)の積極誘致だ。京都や大阪など関西の魅力的な観光資源も背景に、年間1300万人の外国人客が利用する。アジアなどからインバウンド(訪日外国人)を呼び込む玄関口として存在感を高めている。

関西国際空港の開港30周年記念イベントで、出発便を見送る各航空会社のスタッフら(4日)同日、中国から訪れた唐溢旋(タン・イーシュエン)さん(24)は「これから道頓堀など大阪観光を楽しむ。空港は買い物をする場所が多くて便利」と笑顔で話した。

2023年の関空の国際線旅客数は1641万人で、そのうち外国人は1301万人。成田空港より少ないが羽田空港を上回る。

国際線利用客の利便性を高めるため、約700億円を投じて21年から第1ターミナルの改修を進めている。国際線出発エリアの面積を60%広げ、保安検査場も大きくする。

「右肩上がりの需要は30年に向けて続くだろう。関空はようやく羽ばたくことができた」。関空を運営する関西エアポートの山谷佳之社長は感慨深げに語る。

関空は市街地に近い伊丹空港を代替する関西の主要国際空港となるべく1兆5000億円を投じて1994年に開港した。直後はバブル崩壊のあおりを受けて航空需要の低迷に苦しんだ。

転機になったのは12年のLCC専用ターミナル開設だ。設備を簡素化して投資を抑えて着陸料を安くし、ピーチ・アビエーション(大阪府田尻町)の誘致にもつながった。海上空港で深夜や早朝の発着が可能だったのも有利に働く。

16年からは空港運営をコンセッション(民間による公共施設運営)方式に移行した。民間のノウハウも生かし、航空管理システムの導入など運営を効率化させてきた。

関空のLCCの国際便はこの14年間で12倍に増えた。24年夏のダイヤでは国際線定期旅客便の44%を占める。

国際線の外国人旅客数のうち、韓国や中国などアジアが9割だ。

欧米路線の就航を増やすことも課題だが、実現への壁は高い。航空会社の関係者は「各地へ送客する国内路線が増えないと長距離路線の就航は難しい」と指摘する。

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